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お墓への納骨は、多くの方にとって一生のうちに何度も経験するものではありません。そのため、お墓の納骨のやり方が分からず、不安や戸惑いを感じるのは自然なことです。実際に調べてみると、時期、流れ、費用、埋葬許可証、服装、石材店への依頼、自分で納骨できるのかどうか、といった情報が断片的に出てきますが、全体像を整理して理解するのは簡単ではありません。
筆者は行政書士として相続に関連して葬儀や祭祀承継などにもかかわっており、よく納骨に関するご相談を受けています。現場では、書類の不備や段取り不足が原因で、納骨式当日に手続きが進まず延期になるケースも見てきました。この記事では、お墓の納骨のやり方について、初めての方でも迷わず進められるよう、実務の視点から流れと注意点を体系的に解説します。
- 本記事を読んでわかるポイント
- ・お墓への納骨の基本的な流れと事前準備
・納骨に必要な書類や費用の現実的な目安
・納骨当日の服装やマナーの考え方
・自分で納骨する場合に生じる注意点
お墓への納骨のやり方を全体像で解説

ここでは、お墓への納骨のやり方について、準備段階から当日までの全体像を整理します。全体の流れを先に理解しておくことで、個別の判断に迷いにくくなり、精神的な負担も軽減されます。
納骨の流れと基本手順
お墓への納骨は、葬儀とは別の日に行われるのが一般的です。多くの場合、四十九日法要や百か日、一周忌などの法要と合わせて実施されます。納骨を行う際の実務上の流れは、納骨日を決めることから始まります。
まず、家族や親族と相談して納骨の希望日を決め、その上で墓地や霊園の管理者、菩提寺の僧侶、石材店へ順番に連絡を入れます。特に石材店は、お墓の蓋(カロート)の開閉作業や墓誌の彫刻を担当するため、直前の連絡では対応できないことも多く、早めの連絡が必要となります。
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納骨の実務で意識したい段取り
筆者が納骨での多くの事例を見てきた中で感じるのは、感情面と実務面を切り分けて考える重要性です。納骨は大切な供養の場である一方、法律上は埋葬に該当する行為でもある点に注意が必要となります。
納骨は儀式であると同時に、法令と墓地規約に基づく手続きです。形式の定められた書類と段取りを軽視せず、事前準備を徹底することが失敗防止につながります。
なお、墓地や霊園は「墓地、埋葬等に関する法律」に基づき管理されています。納骨には埋葬許可証が必須であり、管理者がこれを確認する義務があります(出典:e-Gov法令検索「墓地、埋葬等に関する法律」)。
納骨の時期と四十九日の考え方
お墓への納骨について、特に多く寄せられるご質問が「いつ納骨するのがよいのか」という点です。結論からお伝えすると、法律上は納骨の期限が定められておらず、何年後になっても違法になることはありません。そのため、事情に合わせて柔軟に納骨の時期を選ぶこと自体は可能です。
一方で、仏教では四十九日が大きな節目とされています。亡くなられた方の魂は、旅の途中で七日ごとに裁きを受け、四十九日目に来世の行き先が決まると考えられてきました。そのため、四十九日は故人が「仏さまの世界へ落ち着く日」とされ、区切りとして非常に大切にされている日です。
こうした仏教上の理由から、多くの家庭では「故人が安らかな場所へと導かれるこのタイミングで、お墓へ迎え入れてあげたい」という思いを込めて、四十九日の法要にあわせて納骨を行います。もちろん絶対ではありませんが、
- 仏教的な意味合いがもっとも整う
- 親族が集まりやすく、法要と納骨を同日に行える
- 故人の旅立ちに合わせて気持ちの区切りをつけやすい
といった理由から、四十九日での納骨は、他の日に行う場合よりも心の面でも実務の面でもすすめられるタイミングといえるでしょう。
納骨を遅らせる選択も問題ない
一方で、実際の場面では、お墓の建立が間に合わない、遠方の親族が集まれない、気持ちの整理がつかないといった理由で、四十九日での納骨ができず、一周忌まで納骨を見送る方も珍しくありません。上でも述べたとおり、法律上は納骨の期限が定められておらず、何年後になっても違法になることはないので、一周忌での納骨も問題ない選択です。
重要なのは、形式に縛られ過ぎず、遺族全員が納得できる時期を選ぶことです。無理に四十九日に合わせる必要はありません。ただし、納骨まで自宅で遺骨を安置する場合でも、将来的な納骨を前提に、埋葬許可証は必ず大切に保管しておく必要があります。
納骨費用の相場と内訳
納骨にかかる費用は、実際にどのような項目が含まれるのか分かりにくく、不安を感じやすいところです。地域やお墓の状況によって差はありますが、一般的には合計で10万円〜15万円ほどになるケースが多いといわれています。あくまで目安のため、状況次第では前後する可能性があります。
主な費用の内訳
納骨に関わる費用には、次のような項目が代表的です。
僧侶へのお布施
法要を依頼する場合にお渡しするもので、金額が明確に提示されないことも多く、寺院の方針やこれまでのお付き合いによって変わる場合があります。
石材店への納骨作業料
お墓の蓋(カロート)を開けて納骨する作業にかかる費用です。お墓の構造や必要な作業人数によって費用に差が出ることがあります。
墓誌への戒名・俗名の追加彫刻費用
新たに戒名や俗名、没年月日を刻む場合に発生する費用で、文字数や彫刻方法によって金額が異なります。
これらは一般的な例であり、実際の費用はお寺や石材店の方針、お墓の状態によって大きく変わる場合があります。そのため、納骨の日取りを決める前に、必ず寺院や石材店に直接確認し、具体的な見積もりを取ることがもっとも安心につながります。
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埋葬許可証の取得と提出
お墓へ納骨する際に必ず必要となる重要な書類が「埋葬許可証」です。これは、死亡届を市区町村役場に提出したあと、火葬を終えた際に火葬場で「火葬済み」の印が押され、そのまま正式な埋葬許可証として交付されます。納骨を行うときは、この埋葬許可証を墓地や霊園の管理者へ提出することが義務付けられています。
墓地や霊園の管理者側には、納骨に関する書類がきちんと揃っているか確認する責任があるため、埋葬許可証がない場合は、たとえ納骨日が決まっていても、納骨式そのものを実施することができません。
埋葬許可証を紛失した場合の対応
実際の現場では、埋葬許可証を紛失してしまい、納骨直前になって慌てて相談に来られる方も少なくありません。しかし対応は可能です。万一手元の書類で埋葬許可証が見当たらない場合でも、死亡届を提出した市区町村の役場で再発行の相談が可能です。
ただし、埋葬許可証の再発行には自治体によっては数日かかることがあります。そのため、納骨日が決まったら、早めに埋葬許可証の保管場所を確認し、当日支障がないよう準備しておくことが大切です。
石材店への依頼と準備
お墓の納骨のやり方を実務面で支える存在が石材店です。カロート(お墓の蓋)の開閉、納骨室内の清掃、防水処理などは専門知識と経験をもつ石材店の助けが必要な作業です。これらを自己判断で行うと、墓石の破損や納骨室への転落事故にもつながる恐れがあります。霊園の墓地規約でも、指定石材店以外の作業を禁止している場合が少なくありません。
墓誌彫刻の注意点
墓誌への戒名や俗名の彫刻は、原稿確認が非常に重要です。一度彫刻すると修正が難しいため、家族複数人で誤字脱字をチェックすることをおすすめします。墓誌彫刻のための石材店への連絡は、納骨日の1か月以上前を目安に行うと、余裕を持って準備できます。
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お墓への納骨のやり方で失敗しない注意点

最後に、お墓への納骨のやり方で特に失敗しやすいポイントを整理します。事前に知っておくことで、当日のトラブルを防ぎ、落ち着いて故人を見送ることができます。
納骨時の服装と平服マナー
納骨式に参列する際の服装は、故人の忌明けまでの時期や、寺院・霊園の方針によって多少異なることがあります。一般的には、四十九日までは「準喪服(ブラックフォーマルより少し略式の喪服)」を着用し、四十九日以降の納骨であれば「平服」で参列するケースが多いとされています。
ここで注意したいのは、平服=普段着ではないという点です。平服とは、あくまで喪服ほど格式ばらないものの、場にふさわしい落ち着いた装いを指します。具体的には、黒・紺・グレーなど控えめな色合いの服でまとめ、露出の多いデザインや華美なアクセサリー、カジュアルすぎる素材や柄は避けるのが基本です。
また、納骨式は遺族にとって大切な儀式であり、宗教的な場でもあります。服装に迷う場合は、事前に寺院や霊園へ確認すると安心して式に臨むことができます。場にふさわしい装いを意識することで、故人への敬意を表すことにもつながります。
納骨を自分で行う場合の可否
納骨にかかる費用を抑えるため、「自分で納骨作業を行うことはできないのか」と考える方は少なくありません。しかし上でも触れたとおり、多くの墓地・霊園では、利用規約によって無断での納骨作業が禁止されています。
墓地や霊園の管理者は、埋葬許可証の確認や作業の安全確保など、適切な管理を行う責任があります。そのため、管理者の許可を得ずに納骨を行うと規約違反となり、注意やペナルティを受ける可能性があります。また、場合によっては今後の区画利用や管理契約に影響が出ることも考えられます。
さらに、納骨作業には石材の取り扱いやカロート(お墓の蓋)の開閉作業が伴うため、誤った方法で進めると、けがや石材の破損などのリスクがある点も見逃せません。専門の石材店や業者に依頼する理由は、彼らがお墓の構造を理解し、安全に作業を行うための技術と道具を備えているからです。
こうした理由から、最終的には石材店などの専門業者に依頼する方が安全面でも管理面でも安心で、結果的にトラブルを避けられる方法といえるでしょう。
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分骨や改葬の手続き
納骨とは別に、分骨や改葬(お墓の移転)を行う場合は、通常の納骨手続きとは異なる行政上の手続きが必要になります。これらの手続きには、法律に基づいた書類の取得が不可欠で、準備には一定の時間がかかります。
分骨を希望する場合は、遺骨を複数に分けるための証明書である「分骨証明書」を、現在遺骨が安置されている寺院や霊園を通じて発行してもらいます。 また、改葬を行う際には、遺骨を現在の墓地から別の墓地へ移すための「改葬許可証」が必要で、これは市区町村役場で事前に取得します。申請には、現在の墓地管理者からの「埋葬証明」などの添付が求められるため、確認すべき事項が多くなります。
これらの書類は、必要項目が細かく、書類不備によって申請が差し戻されるケースも少なくありません。そのため、少しでも不安がある場合は、分骨や改葬の手続きに詳しい行政書士など専門家へ相談することで、時間や手間を大幅に軽減できることがあります。
■ 分骨や改葬については、「お墓の中の1人だけを移動する際の手続き・費用・注意点」 や「海への散骨許可と海洋散骨の手続きガイド」などの記事も参考にしてください。
納骨当日の注意点とマナー
納骨式当日は、時間に余裕を持って現地へ到着することが大切です。僧侶や石材店のスタッフは、式の流れに合わせて準備を進めていますので、早めに集合しておくことで、落ち着いて式に臨むことができます。また、式の進行中は、僧侶や管理スタッフから案内や指示があるため、それに従って行動すると、スムーズで丁寧な納骨となります。
焼香の作法は、宗派によって回数や手順が異なる場合があります。細かい所作に自信がなくても心配はいりません。周囲の方の動きに合わせて静かに従う姿勢が、もっとも自然で失礼のない対応となります。
また、納骨式は屋外で行われることが多い一方で、雨天でも予定どおり実施されるケースが一般的です。天候にかかわらず足元が不安定になりやすいため、滑りにくく歩きやすい靴を選び、安全に配慮した服装を心がけてください。とくに墓石の周りは濡れると滑りやすいため、無理のない動作を意識すると安心です。
まとめ:お墓への納骨のやり方を行政書士が完全解説
お墓への納骨のやり方は、供養の気持ちだけでなく、法律、慣習、実務が複雑に絡み合う手続きです。埋葬許可証の管理、石材店への早期連絡、親族との事前調整が、円滑な納骨につながります。
本記事の内容は、あくまで一般的な目安です。地域や宗派、墓地規約によって対応が異なる場合がありますので、正確な情報は各墓地管理者や寺院、自治体の公式案内をご確認ください。最終的な判断に迷う場合は、各墓地管理者や寺院、石材店のほか、行政書士など専門家へ相談することをおすすめします。
次のアクションへのヒント
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■ 分骨や改葬については、「お墓の中の1人だけを移動する際の手続き・費用・注意点」 や「海への散骨許可と海洋散骨の手続きガイド」などの記事も参考にしてください。