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相続をはじめ各種行政手続きを進める中で、「戸籍謄本はどこで取れるのか分からない」「何度も役所に行くことになりそうで不安だ」と感じ、検索された方も多いのではないでしょうか?戸籍謄本は取得方法が複数あり、近年の制度改正も重なって情報が錯綜しやすい書類です。
この記事では、戸籍謄本がどこで取れるのかという疑問に対し、コンビニ交付、広域交付、本籍地の役所、郵送請求、オンライン申請といった主要な取得方法を、相続実務を日常的に扱う行政書士の視点から体系的に解説します。
戸籍謄本の取得が便利になった制度の活用方法だけでなく、今もなお注意が必要な落とし穴まで整理することで、読者の方が「結局どこで取ればよいのか」を自分で判断できる状態を目指します。
- 本記事を読んでわかるポイント
- ・戸籍謄本がどこで取れるかの全体像
・コンビニ交付や広域交付の利用条件と限界
・本籍地が分からない場合の具体的な対処手順
・相続手続での戸籍謄本取得で失敗しやすい注意点
戸籍謄本はどこで取れるのかに関する全体像

まずは、戸籍謄本がどこで取れるのかを俯瞰的に整理します。現在の日本では、取得方法が大きく5つ存在しますが、それぞれ対象者、取得できる戸籍の範囲、即日性、手続きの手間が異なります。ここを誤解したまま動くと、何度も請求をやり直すことになりかねません。
戸籍謄本をコンビニでも取れるのか?
戸籍謄本は、一定の条件を満たせば全国のコンビニエンスストアに設置されているマルチコピー機で取得できます。これを「コンビニ交付制度」といいます。コンビニ交付制度を利用してコンビニで戸籍謄本を取るための前提条件で重要なことは、本籍地の自治体がコンビニ交付制度に対応していることと、利用者本人がマイナンバーカードを保有していることです。
マルチコピー機の利用時間は、多くの自治体で早朝から深夜まで対応しており、平日に役所へ行けない会社員の方にとっては非常に利便性の高い手段といえます。一方で、現在の住所地と本籍地とが異なる自治体にある場合には、事前に「利用登録申請」を行う必要があり、この登録が完了するまで数日から一週間程度かかることがあります。
ただし、コンビニ交付では、除籍謄本や改製原戸籍が取得できない自治体が一般的です。相続手続きでは出生から死亡までの戸籍が必要になるため、コンビニ交付だけで完結しないケースが多い点には注意してください。
戸籍謄本の広域交付ならどこでも取れるのか?
2024年3月から全国で運用が始まった「戸籍の広域交付制度」により、本籍地以外の市区町村役場の窓口でも戸籍謄本を取ることができるようになりました。これは、従来の「戸籍謄本は本籍地でしか取れない」という制約を大きく緩和する画期的な制度です。
広域交付制度の対象者は本人、配偶者、直系尊属、直系卑属に限定され、例えば兄弟姉妹は対象外となりますが、相続手続きでは被相続人の子や配偶者が請求するケースが多く、実務上のメリットは非常に大きいといえます。
広域交付制度の公式な制度概要や対象範囲については、法務省が一次情報として公表しています。制度の正確な理解のため、必ず原典を確認することが重要です(出典:法務省「戸籍法の一部を改正する法律について(令和6年3月1日施行)」)。
ただし、広域交付は窓口での請求人本人による利用に限定され、郵送請求や代理人による取得はできません。また、コンピュータ化されていない一部の戸籍・除籍謄本や、個人事項証明書(戸籍抄本)は対象外である点も、事前に理解しておく必要があります。
広域交付では、基本的に即日交付されますが、古い除籍謄本や改製原戸籍謄本の場合は、即日交付の対応が難しい場合もあり、数日から10日程度かかることがある点には注意が必要です。
戸籍謄本は本籍地の役所で取れる
もっとも確実で、現在でも基本となる取得方法が、本籍地の市区町村役場での窓口請求です。必要書類に不備がなければ、その場で即日交付されることが多く、取得できる戸籍の種類(戸籍謄本、除籍謄本、改製原戸籍謄本など)にも制限がほとんどありません。
また、広域交付のように利用対象者による限定が無く、代理人による取得や郵送請求による取得も可能なので、現在でも相続手続きなどにおいては、本籍地の役所で取得する場面は実務でも少なくありません。
特に相続手続きでは、被相続人(故人)の出生から死亡までの連続した戸籍謄本を集める必要がありますが、本籍地の役所であれば、どの時点の戸籍謄本がどの役所に存在するのかを職員に確認しながら進められる点が大きなメリットです。
戸籍謄本はオンライン申請でも取れるのか?
一部の自治体では、マイナンバーカードを利用したオンライン申請により、戸籍謄本を請求できる仕組みを導入しています。申請から手数料の支払いまでオンラインで完結し、戸籍謄本は後日郵送で受け取れる点が魅力です。
ただし、このオンライン申請は全国一律の制度ではなく、対応していない自治体も多いため、利用前に必ず本籍地自治体の公式サイトを確認する必要があります。また、戸籍謄本は郵送での送付となるため、即日取得はできず、申請から戸籍謄本の到着まで数日から一週間程度かかるのが一般的です。
戸籍謄本は郵送請求で取れる
上でも触れましたが、戸籍謄本は本籍地の役所に郵送で請求して取ることができます。広域交付が使えない場面で、本籍地が遠方で直接行けないような場合、郵送請求は現在でも有効な取得方法です。
郵送請求する場合、申請書(各自治体のサイトから書式をダウンロードして印刷)、本人確認書類のコピー、手数料分の定額小為替(最寄りの郵便局で購入)、返信用封筒を同封して本籍地の役所へ郵便で送付します。急ぎの場合には速達で送付します。
このように郵送請求は手間と時間がかかりますが、代理人による取得が認められる自治体も多く、相続実務では利用頻度の高い方法です。仕事や介護で動けない方にとっては現実的な選択肢となります。
状況別に見る戸籍謄本はどこで取れるのかの整理

ここからは、取得者の立場や緊急性、相続という特殊事情を踏まえ、状況別に「結局どこで取れるのか」を具体的に整理します。単に制度を知るだけでなく、実務の現場でどの選択が合理的かという判断軸を持つことが重要です。相続手続きでは期限や提出先の要件が絡むため、取得方法の選択を誤ると、結果として大きな手戻りが生じることもあります。
戸籍謄本の手数料や即日取得の可否について
戸籍謄本の交付手数料は、全国共通の法定手数料として1通450円が一般的な基準です。一方で、相続手続きで必須となることが多い除籍謄本や改製原戸籍については、1通750円程度が目安となります。これらは被相続人の出生から死亡までの戸籍をさかのぼる際に必要となるため、結果として複数通を取得するケースも少なくありません。
戸籍謄本の即日取得(申請時にその場で取得すること)が可能かどうかは、取得方法によって大きく異なります。実務上、その日のうちに確実に入手したい場合の現実的な選択肢は、コンビニ交付か本籍地・広域交付での役所窓口のいずれかにほぼ限定されます。役所窓口での請求であれば、書類に不備がなければ原則として即日交付されるため、金融機関や法務局への提出期限が迫っている場合には有効です。
一方、郵送請求やオンライン申請は、自宅から手続きできるという利点がある反面、申請から到着までに数日から1週間以上かかることもあります。特に郵送請求では、定額小為替の準備や返信用封筒の不備による差し戻しが発生しやすく、想定以上に時間を要するケースもあります。
相続実務では、時間を優先するのか、手間を減らすのかを明確にした上で取得方法を選ぶことが重要です。期限がある場合は、多少の移動や待ち時間が発生しても窓口取得を検討する価値があります。
なお、戸籍に関する手数料や制度の基本的な位置づけについては、法務省が一次情報として整理しています。制度の根拠を確認したい場合は、公式情報を参照することが重要です(出典:法務省「戸籍のABC(Q1~Q5)」)。
戸籍謄本は代理人ならどこで取れる?
相続手続きでは、相続人本人が遠方に住んでいる、仕事の都合で役所に行けないといった事情から、代理人による戸籍謄本の取得が問題となることがよくあります。代理人取得が認められるのは、主に本籍地役所での窓口請求および郵送請求です。
この場合、原則として委任状が必要となり、あわせて代理人自身の本人確認書類の提示または写しの同封が求められます。委任状の様式は自治体ごとに指定されている場合もあるため、事前に公式サイトで確認することが望ましいです。
一方で、広域交付制度では代理人による取得は一切認められていません。この制度は本人確認を厳格に行う前提で設計されているため、相続人本人が窓口に出向く必要があります。そのため、身体的な事情や居住地の問題で本人来庁が難しい場合には、広域交付は選択肢から外れます。
代理人取得が可能かどうか、また必要書類の範囲は自治体ごとに細かな違いがあります。事前確認を怠ると、再請求が必要になる点には注意が必要です。
行政書士などの専門家に依頼する場合も、代理取得の扱いは同様です。職務上請求が可能なケースもありますが、すべての戸籍が対象になるわけではなく、目的や提出先によって制限があります。
本籍地がわからない場合に戸籍謄本はどこで取れる?
実務で非常に多いのが、「そもそも本籍地が分からない」という相談です。この場合、いきなり戸籍謄本を請求することはできません。まず行うべきは、本籍・筆頭者記載の住民票の写しを取得して本籍地と筆頭者を確認することです。本籍・筆頭者記載の住民票には本籍地が記載されているため、ここを起点として手続きを進めます。
本籍地が判明した後、該当する市区町村役場に対して戸籍謄本を請求します。ただし、相続では被相続人が生涯で複数回転籍していることも珍しくなく、先にも触れたとおり、一つの役所ですべての戸籍が揃わないケースが多くあります。
この場合は、現在の本籍地から順に、前の本籍地へとさかのぼって戸籍を取得していく必要があります。本籍地の移動履歴は、戸籍の記載事項から確認できますが、戸籍の読み解きに慣れていない場合は、行政書士などの専門家に確認しながら進めることで、取得漏れを防ぎやすくなります。
相続手続きで戸籍謄本を取るときの注意点
相続手続きで戸籍謄本を取るときの最大の注意点は、被相続人の出生から死亡まで連続した戸籍が必要だという点です。これは法定相続人を確定させるためであり、一部でも欠けていると手続きが完了しません。
上でも紹介した戸籍謄本のコンビニ交付や一部のオンライン申請は非常に便利ですが、取得できるのは現行戸籍に限られることが多く、除籍謄本や改製原戸籍が対象外となるケースが一般的です。被相続人の出生から死亡まで連続した戸籍には、現行戸籍だけでなく除籍謄本や改製原戸籍が含まれることが多く、そのためコンビニ交付やオンライン申請だけで相続に必要な戸籍がすべて揃うことは、実務上ほとんどありません。
結果として、相続実務では本籍地の役所での取得や広域交付を軸にしつつ、必要に応じて郵送請求を組み合わせる方法が現実的です。制度は年々見直されていますが、運用の細部は自治体ごとに異なるため、正確な情報は必ず公式サイトで確認することが欠かせません。
相続は一度きりの手続きであることが多く、やり直しがききません。判断に迷う場合や手続きが複雑な場合は、最終的な判断を専門家に相談することが、結果的に時間と労力の節約につながります。
まとめ:戸籍謄本はどこで取れる?行政書士が最新制度により解説
戸籍謄本は、コンビニ交付、広域交付、本籍地の役所、郵送請求、オンライン申請など複数の方法で取得できますが、すべての状況に対応できる万能な方法は存在しません。目的、緊急性、必要な戸籍の種類を整理した上で、最適な取得手段を選ぶことが重要です。
特に相続の場面では必要な戸籍謄本の判断が複雑になりやすいため、不安がある場合は行政書士などの専門家に相談し、確実かつ効率的に手続きを進めることをおすすめします。
次のアクションへのヒント
■ 戸籍謄本でどこまで先祖を遡ることができるのかについては、こちらの記事も参考になります。
■ 戸籍謄本の有効期限はなぜ銀行で求められるのかについては、こちらの記事も参考になります。