広告
相続が発生するとき、多くの方が最初につまずくのが相続税をどうやって払うのかという問題です。相続税の納付期限はいつまでなのか、納付書はどこでもらうのか、現金が足りない場合はどうすればいいのかなど、不安や疑問は尽きません。特に相続税の支払い方法は複数あり、選択を誤ると余計な手数料やペナルティが発生するおそれもあります。
本記事では、相続税の納付期限や支払い方法、延納や物納といった制度まで、「相続税をどうやって払うのか」を初めての方にも分かりやすく整理して解説します。
■ 相続税に関しては相続に強い税理士を探すのがおすすめです。こちらから税理士を探すことができます。 → 税理士選びなら税理士ドットコム
- 本記事を読んでわかるポイント
- ・相続税の納付期限と基本ルールが分かる
・相続税の具体的な支払い方法を理解できる
・現金が足りない場合の対処法が分かる
・期限を過ぎた場合のリスクを把握できる
相続税をどうやって払うかの基本と納付期限

相続税をどうやって払うかを正しく判断するためには、まず制度の土台となる相続税の納付期限やその原則を理解することが欠かせません。ここを誤解したまま進めると、不要な延滞税や加算税を招く原因になります。
相続税の納付期限はいつまでか?
相続税の納付期限は、被相続人が亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内と、相続税法で明確に定められています。この10か月という期間は、申告書の提出期限であると同時に、税金を実際に支払う期限でもあります。そのため、申告だけ間に合っても納付が遅れれば滞納となります。
実務上よくある誤解が、「遺産分割が終わっていないから払えない」という考えです。しかし、遺産分割が未了であっても、法定相続分で仮計算して申告・納付を行う必要があります。これは相続税の納付期限が、相続人の事情に左右されない絶対的な期限として扱われているためです。
ポイント: 相続税の期限は「10か月以内」であり、遺産分割の進捗とは無関係です。
なお、申告および納付期限の日が土曜日・日曜日・祝日、または年末年始にあたる場合は、翌平日が申告および納付期限の日となります。ただし、この救済はあくまで形式的なもので、準備期間が延びるわけではありません。実務では、少なくとも期限の1か月前には納税方法を確定させておくことが安全です。
相続税の申告と納税の正確な期限については、税理士などの専門家や、国税庁が公式に公開している情報で必ず確認してください(出典:国税庁「相続税の申告と納税」)。
相続税の納付書はどこでもらう?
相続税は申告納税方式を採用しているため、固定資産税や自動車税のように納付すべき金額が記載された納付書が自動的に送付されて来ることはありません。この点を知らず、「相続税の納付書が届かない」と不安になる方は非常に多いのです。
相続税の納付書は、被相続人(故人)の最後の住所地を管轄する税務署の窓口で入手できます。また、大手銀行など一部の金融機関店舗窓口でも納付書を入手できる場合がありますが、常備されていないことも多いため、すぐに確実に入手するには税務署がいいでしょう。
また、納付書を入手する際は、書き損じのための予備として余分に入手しておくことをおすすめします。
相続税の納付書作成で特に注意すべき点
相続税の納付書作成で注意すべき点としては、相続税の納付書は、納税義務のある相続人ごとに1枚ずつ作成しなければならないということです。例えば、相続人が配偶者と子2人との計3人であり、3人とも相続税の納税義務が生じる場合には、ひとりずつ計3通の納付書が必要となります。代表者がまとめて納付書1枚で複数人分を支払うことは認められていません。
また、納付書に記載する「税目番号」や「年度」、「納期」などの記入を誤ると、他の税金として処理されてしまうリスクがあります。納付書の金額欄の訂正は原則不可です。もし、金額を誤って記入してしまった場合は、新しい別の納付書で書き直します。このような場合に備えて、納付書を入手する際は、予備として余分に入手しておくことが有効です。
一方、相続税の納付でe-Taxを利用する場合は、紙の納付書を使わずにインターネットを通じたオンラインでの納付が可能です。ただし、e-Taxを利用するには、事前登録などの準備が必要なため、e-Taxの利用を検討するのなら相続発生後すぐに準備を進めることが重要です。
相続税は誰が払うのか?
相続税は、遺産を取得した各相続人が、それぞれの取得割合に応じて支払う税金です。ここで重要なのは、「遺産総額に対する税金」を誰か一人が代表して払う制度ではないという点です。
実務では、遺産分割協議の結果として、ある相続人が多く現金を取得し、別の相続人が不動産中心になることがあり、相続税を払いやすい人、払いにくい人という差が生じます。そのような場合でも、税務上の納税義務者は各相続人ひとりひとりであることに変わりはありません。
一方で、複数の相続人のうち、ひとりの相続人が自分の分の相続税を滞納した場合、連帯納付義務により他の相続人にも請求が及ぶ可能性があります。連帯納付義務は、実際に請求が来て初めて知ることが多い制度です。相続人間の信頼関係だけに頼らず、全員が相続税の納付を終えたかどうか確認することが、トラブル回避の観点から非常に重要です。
相続税は現金での一括納付が原則
相続税の納付方法として、法律が原則として定めているのは金銭による一括納付です。不動産や株式を多く相続した場合でも、「換金せずに現物でそのまま払う」ことはできません。
この現金納付の原則があるため、相続が発生した後に初めて「現金が足りない」ことに気付くケースが後を絶ちません。相続税対策とは、節税だけでなく、納税資金をどう確保するかという視点が極めて重要です。例えば、生命保険金は、納税資金として活用される代表的な手段です。
万一、相続税を一括納付するのが難しい場合には、後述する延納や物納という制度もありますが、いずれも要件が厳しく、必ず認められるわけではありません。まずは現金による一括納付を前提に資金計画を立てる必要があります。
相続税の期限を過ぎた場合の対応
相続税の納付期限を過ぎてしまうと、まず延滞税が発生します。延滞税は日割りで加算され、2か月を超えると税率が大きく上がる仕組みです。さらに、申告自体をしていない場合には、無申告加算税が課される可能性があります。
ここで重要なのは、「相続税を払えない事情があっても自動的に猶予されることはない」という点です。放置すればするほど税金の負担は増え、最終的には財産の差押えに至ることもあります。万一納付期限を過ぎてしまった後でも、早期に相談すれば分納や手続上の配慮が受けられる場合がありますので、放置するのだけは避けなければいけません。
どうしても納付期限内の納付が難しい場合は、必ず期限前後に税務署へ相談し、延納申請などの選択肢を検討してください。最終的な判断については、税理士などの専門家への相談を強くおすすめします。
相続税をどうやって払うかの方法別の注意点

相続税をどうやって払うかという納付方法については、納付すべき相続税の金額や、相続人のライフスタイルなどに応じて選択肢が用意されています。それぞれの方法にはメリットと注意点があるため、特徴を理解した上で選ぶことが重要です。
銀行窓口での相続税の納付方法
銀行窓口での相続税の納付は、相続税の支払い方法として最も一般的で、現在も多く利用されています。作成した納付書を持参し、預金口座から直接引き落とす形で支払えるため、高額な税額でも安全性が高い点が特徴です。
特に数百万円から数千万円単位の相続税を支払う場合、現金で大金を持ち歩くリスクを避けられる点は大きなメリットです。また、金融機関が発行する領収証書は、後日の確認資料としても重要な証拠になります。
銀行の窓口対応は平日15時までが一般的で、繁忙期は待ち時間が長くなる点には注意が必要です。会社勤めをしている相続人の場合、休暇の調整が必要になることもあるため、早めにスケジュールを組んでおくことが大切です。
クレジットカードによる相続税の納付
相続税のクレジットカード納付は、時間や場所を選ばずに支払える点で利便性の高い方法です。国税専用の決済サイトを利用し、オンラインで手続きが完結します。銀行窓口などに出向く必要もないため、会社勤めをしている相続人にとっても便利です。また、クレジットカードによってはポイント還元があるものもあり、お得感があります。
しかし、利便性が高い一方で、決済手数料が必ず発生する点には注意が必要です。近年は手数料率が引き上げられており、ポイント還元を考慮しても、実質的な負担が増えるケースも少なくありません。高還元率のクレジットカードでない限り、経済的メリットは限定的と考えたほうがいいかもしれません。
また、クレジットカードではカードの利用限度額や1回あたりの納付上限額が設定されているため、高額な相続税では複数回決済が必要になったり、クレジットカードによる支払いができなかったりする場合もある点も理解しておきましょう。
相続税のコンビニ・スマホ決済
相続税の納税額が30万円以下であれば、コンビニ納付やスマホ決済を利用することもできます。納付手数料がかからず、24時間対応している点は大きな魅力です。
ただし、相続税は高額になりやすいため、実務上、コンビニ納付やスマホ決済は一部の相続人のみが利用できる方法と言えます。また、納付した際の領収証の形式が金融機関での納付と異なるため、保管方法にも注意が必要です。
相続税の延納と物納という選択肢
相続税を現金一括で払えない場合の救済制度として、延納と物納があります。延納は分割払いで納付する方法であり、物納は財産そのもので支払う制度です。ただし、延納には利子税がかかり、物納は厳格な審査があります。
延納と物納はいずれも申告期限までに申請することが必要で、認められないケースも多いため、安易に頼るべき制度ではありません。相続税の納付に対する事前の資金計画が何より重要です。
まとめ:相続税はどうやって払う?手続と注意点をわかりやすく解説
以上のとおり、相続税をどうやって払うかは、相続人それぞれの状況によって最適解が異なります。重要なのは、「被相続人が亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内」という納付期限を最優先に考え、現金一括納付のための資金計画を早めに立てて、無理のない方法を選択することです。
本記事で解説した内容は一般的な目安であり、最終的な判断については、必ず税務署や税理士などの専門家に相談し、正確な情報は国税庁の公式サイトを確認してください。適切な対応が、将来のトラブルを防ぐ最大のポイントです。
次のアクションへのヒント
■ 相続税に関しては相続に強い税理士を探すのがおすすめです。こちらから税理士を探すことができます。 → 税理士選びなら税理士ドットコム