車の相続税はいくら?評価方法と手続きの知識を解説

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車の相続税はいくら?評価方法と手続きの知識を解説

親が亡くなり車を相続することになったとき、多くの方が最初に気になるのが、車の相続税はいくらかかるのかという点です。車は不動産や預貯金と比べると金額が小さいケースも多い一方で、「評価の仕方が分からない」「税金が発生するのか判断できない」といった不安を抱えやすい財産でもあります。

車の相続税はいくらになるかは、車単体の価値だけで決まるものではありません。基礎控除の範囲内かどうか、他にどのような相続財産があるのか、ローン残債があるのかなど、複数の要素が重なって最終的な課税関係が決まります。軽自動車と普通自動車で手続きが異なる点や、100万円以下の車に関する実務上の取り扱いを知らないまま進めてしまうと、余計な書類作成や二度手間が生じることもあります。

この記事では、行政書士として相続実務に携わってきた立場から、車の相続税はいくらになるのかという疑問を軸に、評価方法の考え方、相続税計算との関係、名義変更や売却時の注意点まで、初めて相続を経験する方でも全体像を把握できるように解説します。

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本記事を読んでわかるポイント
・車の相続税はいくらになるかの基本的な考え方
・車の評価額がどのように決まるか
・名義変更や売却と税金の関係
・手続きを放置した場合のリスク

車の相続税はいくらになるかの基本知識

車の相続税はいくら?その1

まずは、車を相続した場合に相続税が発生する仕組みと、その前提となる評価額の考え方の基本を整理します。この部分を正しく理解しておくことで、「車がある=必ず相続税がかかる」といった誤解や、逆に「車は少額だから何もしなくてよい」といった思い込みを避けることができます。

評価額の決まり方と計算方法

車は相続税法上、「一般動産」として分類されます。一般動産とは、土地や建物のような不動産、株式や預貯金といった金融資産以外の動産を指し、家具や貴金属、美術品などと同じ扱いです。一般動産の相続税評価は、相続開始時点、つまり被相続人が亡くなった日の時価で行うのが原則とされています。

ここでいう時価とは、「その時点で不特定多数の第三者間で通常成立すると認められる取引価格」を意味します。車の場合、実務上は中古車市場での買取相場を基準に評価するのが一般的です。ディーラーでの下取り価格や中古車販売価格ではなく、あくまで業者が買い取る価格をベースに考える点が重要です。

重要: 車の相続税評価は、購入時価格や新車価格ではなく、相続開始時点の買取相場が基本です。

具体的には、複数の中古車買取サイトや業者の査定結果、オークション相場などを参考にし、合理的と説明できる金額を評価額として採用します。相続税申告が必要な場合には、その評価額の根拠を税務署から求められる可能性があるため、スクリーンショットや査定書など、客観的資料を残しておくことが実務上重要です。

この評価方法は、国税庁が示す相続税評価の基本的な考え方にも沿ったものです(出典:国税庁「一般動産の評価」)。

基礎控除で相続税がかからない枠

車の相続税を考えるうえで、必ず理解しておきたいのが基礎控除の存在です。相続税には「3,000万円+600万円×法定相続人の数」という基礎控除額が設けられており、相続財産の合計額がこの範囲内であれば、原則として相続税はかかりません。

たとえば、法定相続人が配偶者と子ども2人の合計3人であれば、基礎控除額は3,000万円+600万円×3人=4,800万円となります。この場合、車の評価額が仮に150万円であったとしても、預貯金や不動産などを含めた遺産総額が4,800万円以下であれば、相続税は発生しません。

ポイント: 車単体で相続税がかかるかどうかは判断できず、必ず遺産全体の合計額で確認します。

実務上、「車があるから相続税申告が必要なのではないか」と心配される方は多いですが、実際には基礎控除内に収まるケースも少なくありません。一方で、不動産評価額が高い場合や、生命保険金・死亡退職金などのみなし相続財産が多い場合には、車の評価額が加わることで課税対象になることもあります。そのため、車の相続税はいくらかを判断するには、必ず全体像を把握することが不可欠です。

評価額100万円以下の車の扱い

車の相続において、実務上よく話題になるのが「100万円以下の車」の取り扱いです。普通自動車の場合、原則として名義変更の際に遺産分割協議書が必要になりますが、評価額が100万円以下であることを客観的に証明できれば、遺産分割協議書の提出を省略できる取り扱いが認められています。

これは相続税の特例というよりも、運輸支局での登録実務上の簡便措置に近い位置付けです。相続税の計算自体は、100万円以下であっても通常どおり評価額を遺産に含めて行います。そのため、「100万円以下なら相続税がかからない」という意味ではない点に注意が必要です。

注意: 100万円以下かどうかは、査定書や買取相場の資料など、第三者が見ても妥当といえる証拠が必要です。

実務では、中古車買取業者の査定書を1~2社分取得し、その金額が100万円以下であることを示すケースが一般的です。これにより、相続人全員の署名押印が必要な遺産分割協議書を作成せずに済むため、手続きの負担を大きく軽減できます。特に相続人が多い場合や、遠方に住んでいる場合には、非常に有効な取り扱いといえます。

普通自動車と軽自動車の相続手続きにおける違い

車の相続では、普通自動車と軽自動車で手続きの煩雑さに大きな違いがあります。普通自動車は法律上「財産」としての位置付けが明確であり、相続人間での権利関係を示すために、原則として遺産分割協議書が求められます。

一方、軽自動車については、制度上の取り扱いが簡素化されており、名義変更の際に遺産分割協議書の提出が不要とされています。相続人の申請書と戸籍関係書類があれば手続きが可能なため、実務的な負担は比較的軽いといえます。

ポイント: 軽自動車であっても、相続税評価の考え方自体は普通自動車と同じく「時価評価」です。

つまり、手続きが簡単だからといって、相続税の計算から除外できるわけではありません。軽自動車の評価額が高額で、かつ他の相続財産と合算して基礎控除を超える場合には、相続税の課税対象になります。この点を誤解してしまうと、申告漏れにつながるおそれがあるため注意が必要です。

ローン残債がある場合の相続税

車にローンが残っている場合、相続税の計算では債務控除という考え方が重要になります。被相続人が負っていた債務は、一定の要件を満たせば相続財産から差し引くことができ、これにより課税対象額を減らすことが可能です。

多くの自動車ローンでは、完済まで所有権がディーラーや信販会社に留保されているケースがあります。この場合、形式的な所有者はローン会社ですが、相続税の実務では、車の時価からローン残高を差し引いた「実質的な価値」をもって評価する考え方が採られます。

ポイント: 評価額よりローン残債が多い場合、差額分は他の相続財産から控除できる可能性があります。

たとえば、車の評価額が80万円、ローン残高が120万円であれば、差額の40万円は債務として控除対象となります。ただし、ローン契約の内容や連帯保証人の有無によって扱いが変わる場合もあるため、実際の申告にあたっては契約書の確認が不可欠です。

車の相続税はいくらかを手続き別に確認

車の相続税はいくら?その2

ここからは、名義変更や売却、専門家への依頼といった具体的な手続きごとに、車の相続税はいくらになるのか、どのような点に注意すべきかを整理します。税金だけでなく、実務上の流れを理解することで、全体の見通しが立てやすくなります。

査定で決まる車の相続税評価額

相続税申告が必要となった場合、車の評価額は申告書に明記する必要があります。その際、最も重要になるのが「なぜその金額なのか」を説明できるかどうかです。実務では、中古車買取業者1社のみの査定額ではなく、複数の業者による査定額をもとに買取相場を比較し、その平均値や妥当な範囲の金額を採用するケースが多く見られます。

特に高級車や希少車、年式が古く市場流通が少ない車については、一般的な買取サイトでは正確な相場が分からないこともあります。その場合には、当該車種に精通した業者による査定書、いわゆる「精通者意見価格」を取得することで、評価の合理性を高めることができます。

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名義変更の期限と必要書類

普通自動車の名義変更には、法律上の厳密な期限が定められているわけではありませんが、実務上は相続人が確定してから15日以内を目安とするよう案内されることが一般的です。名義変更を行わないまま放置すると、売却や廃車ができない、事故時の責任関係が不明確になるなどのリスクがあります。

注意: 名義変更を怠ると、売却不能やトラブル発生時の責任問題など、実務上の不利益が生じる可能性があります。

必要書類としては、戸籍謄本一式、遺産分割協議書、相続人全員の印鑑証明書、自動車検査証などが挙げられます。評価額100万円以下の特例が使える場合には、遺産分割協議書を省略できる点も、実務負担を左右する重要なポイントです。

車の売却や廃車で税金はどうなるか

車を相続した後、すぐに売却するケースも少なくありません。この場合に注意したいのは、相続税評価額はあくまで相続開始時点で決まるという点です。相続後に売却価格が評価額より高くても低くても、原則として相続税額には影響しません。

一方で、自動車税については実務上の注意点があります。自動車税は毎年4月1日時点の所有者に課税されるため、3月31日までに廃車手続きを完了すれば、翌年度分の自動車税を回避できます。この点は相続税とは別の税金ですが、全体の負担を考えるうえで重要です。

車の相続手続きを専門家に依頼する費用相場

車の相続手続きを専門家に依頼する場合、内容によって費用は大きく異なります。名義変更のみであれば、行政書士に依頼するケースが一般的で、費用は数万円程度が相場です。一方、相続税申告が必要な場合には、税理士への依頼が必要となり、報酬は遺産総額や業務内容に応じて決まります。

このように費用はかかりますが、評価や申告を誤った場合の追徴課税やペナルティを考えると、専門家に依頼するメリットは小さくありません。特に他の相続財産が多い場合や、評価が難しい車を含む場合には、早めの相談が有効です。

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まとめ:車の相続税はいくら?評価方法と手続きの知識を解説

車の相続税はいくらになるかは、車の評価額だけでなく、基礎控除、ローン残債、他の相続財産との関係によって決まります。多くのケースでは基礎控除内に収まり、相続税がかからないこともありますが、だからといって評価や手続きを軽視してよいわけではありません。

おすすめ: 不安がある場合は、早めに専門家へ相談することで、税金と手続きの両面でリスクを最小限に抑えられます。

本記事の内容は、一般的な相続実務に基づく解説です。最終的な判断や正確な金額については、必ず公式情報の確認や税務署、専門家への相談を行ってください。

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